司馬遼太郎著「竜馬が行く」感想文

 

坂本龍馬は、土佐藩郷士に産まれ、青雲の志を抱き2回も脱藩しながら独自の思想で日本を無血戦争で統一しようとした幕末の風雲児。維新史の奇蹟と言われる。

皆に好かれ、明るく、物に執着しない性格。話しは理詰めで、例え話で話すので説得力がある。

剣は千葉道場で修行し北辰一刀流の免許皆伝の腕に。

ベリー艦隊来航後、勝海舟に師事し神戸で海運の勉学をする。長崎で海援隊を造り海運業に乗り出す。後に露のバルチック艦隊を破った東郷平八郎らを育て日本の海軍の祖と言われる様になった。

欧米の脅威から朝廷による国家統一を目指し、①倒幕の為に犬猿の仲だった薩長連合を成立させ、②大政奉還の下地を作った。

これらの実績を残しながら、戊辰戦争の直前に、幕府見廻隊の凶刃に倒れる。32歳の若さで非業の死。妻は「おりょう」だった。

いずれにしても、藩の力を借りずに西郷隆盛桂小五郎高杉晋作らと交わりながら維新回天を推進し、一挙に日本の近代国家の道を開いた。

想像以上に型破りな魅力ある憧れる人物だ。

 

竜馬の人間像がどの様にして作られたか?

それには3つの大きな出会いが有るのでは。一つは、子供時代の男勝りの乙女(おとめ)姉からの教育刺激。2つは青年期、江戸での黒船来航のカルチャーショック、三つめは、勝海舟との出会いが海外に目を向けさせ、船の重要性を知った。